なかなか目が出ない彼…だけど、改めて10年近く前のアルバムを聴いて思ったのは、“真新しさ”。音楽に正直に向き合い、廃れることのない表現にこだわっているからこそ、今でもこういった音が古くなってないのだろう。

シングルにもなった「Treat You Like A Queen」でスタート、今聴いてもうまく生音とヴォーカルを組み合わせていて活きまくっている。高いパートでのヴォーカルは、少年ヴォーカルと思うわせる位に細くなるのが面白い。だけど、その裏で奏でるオウンコーラスが、アルバム全体の作りこみを表している。2曲目「Sure Boy」は、より高域のヴォーカルを披露、ネオソウル的味わい・辿る旋律にも節々気を払っていて、聴いていると新しい面々を次々堪能できる。3曲目「Diggin' Your Scene」は素敵なアカペラでスタート…と思ったら、シンセがエッセンスになって、全体的にアップテンポなグルーヴの楽曲へと早変わり。4曲目「Do You Feel The Way I Do」の繰り返すオルガンが頭にこびりつくが、ファルセットと地声の切り替えがスムースで聴き入ってしまうミディアムスローなナンバー。5曲目「The Moment」は90年代前半のR&Bの再現という気もするが、音が古臭くないのは念入りに作りこまれているからこそ。6曲目「Friend of Mine」はオルガンがゆったりと流れ、颯爽と風がたなびくようなアコースティック系…ドライヴに最適だろうなー。7曲目「The Day」は、これまでにもやや感じたStevie Wonder を意識したセンスが光る。70年代後半の自分なりの解釈は、今の音として素敵に蘇ったかのようだ。11曲目「Get Here」なんて、ファルセットだけで押し通してしまう力強さ。ラスト13曲目「It Ain't Love」はNe-Yo 的作り、ソウル要素も忘れていなくて、美メロを堪能!!

…まっ、そんな感じで1曲1曲にかみごたえがある。決して散漫ではない、ラサーン・パターソンの才能が、聴く者にエナジーを与えてくれる。海外盤と国内盤などええ多少曲順が異なったりするようだが、きちんと国内盤が出続けているからこそは、ここらへんで一発かましてほしいところ!!

Love in Stereo


ラヴ・イン・ステレオ