SOUL FOOD, SOUL LIFE

【ほぼ毎日“R&B/SOUL”のCD全曲レビュー】Aretha Franklin の来日祈願と、YO-SUKE の日常備忘録も

●Jazz

Senri Oe / Collective Scribble (2015)

scribble+cover大江千里こと、今やSenri Oe としてアメリカを中心に活躍するジャズミュージシャンとなったことも有名ですが、自分は1980年代のポップから好きで、そして、大人になってジャズなんかも聴くようになって、今ならではの彼を楽しく堪能出来ているなぁと。単身40代で渡米して、そして本作はジャズ作として1年半振り3作目。日本でも根強いファンが多いので、国内盤としてヒットもしていますが、実際本作は近所の図書館に入荷してて、凄くコアにも、まだ彼のジャズを通しで聴いたこと無かったので、手軽さの嬉しさで拝聴することに。

1. Freid Green Onion
彼のヴォーカルは全部を通して入らず、サックスと掛け合いながら、ゆったりと気持ちよい、転がるような演奏は見事で。元々ピアニスト、作曲家でもあった彼だけど、ジャズともなると響かせるツボはだいぶ変わるなぁと、しみじみ
2. Autumn Confidential
小さな秋見つけたに近い、細やかな新たな発見みたいなものを、サラリと奏でる。サックスかな、かなり秋冬のヒンヤリした感触に近づいてて気持ちよい
3. E Love
ピアノ1本で30秒、小刻みに叩きつけるインタールード風
4. Scribble
タイトル曲、断片的な音が散らばって、パッチワークのように紡がれていく、クリエイティヴというよりも職人気質な曲かな
5. David
音をじっくり描く、最小限の種類で、じんわりと優しさや満足感を得るような、日常の嬉しさみたいなものを感じるなぁ
6. Book Him
2分程、なんか近所にお出かけする、ドラマのワンシーンのような、ほんわかさ、庶民派
7. Wonder
更に2分程で、若干スムージーになりつつ、抑揚たっぷりに、短い中にストーリーの凝縮を感じます
8. Winter
なんか和テイストな冬を感じるなぁと、ほのぼのするんだよね。豊熟、単にドストレートに冬って感じでもないようで、その雰囲気全体が興味深く
9. Cue Kiss
最初、文明堂のCMかと思ったけど、軽いタッチにご機嫌に、程よい加減が気持ちよい1分半のショートショート
10. Dr. Dan's Kue
2分弱、転がりが面白い。まるで犯人現る、みたいな事件的な展開に感じる。色々と表現多彩で面白味深く
11. Akiuta
ハイライト、1997年 ”秋唄” セルフカヴァー(当時、この曲がカップリングに収められたCDS買いました)。当時の単に真っすぐのバラードじゃなく、抑揚つけてうねってるのが面白い
12. Sketch
ラストは、秋冬をテーマにしてきたような作品を淡く閉じるようなスロウ。どこまでも余韻にこだわったような流れ



12曲・43分、抑揚が素晴らしいジャズアルバム。演奏自体は小編成なんだけど、アルバムを通して抑揚がたっぷり。曲展開も、じっくり聴かせたり、流れを大事にしたりと、緩急があって成立してました。日本のファンには11曲目の収録は嬉しいところ。進化した大江千里氏を堪能できる、極みだと思いました。

<過去レビュー>
1988年 1234
1994年 Sloppy Joe 2

Collective Scribble(初回生産限定盤)(DVD付)
大江 千里
ヴィレッジレコーズ
2015-02-14

Collective Scribble
大江 千里
ヴィレッジレコーズ
2015-02-14

Carole King / Music (1971)

51NeQcWidaL__SL160_1970年の正式ソロデビューから2年弱、前モンスター名盤Tapestry(つづれおり)から若干10ヶ月というスパンでリリースされた3作目、POP1位を記録。でもTapestry が10ミリオン・500週ランクインという驚異の一方、こちらは1ミリオンにとどまってるのは、隠れがちな事実。今本作を取り上げてるのはBSで、昨日夜中にCarole King Tribute をやってて、何か取り上げたくなって。自分は2in1 で買ってましたが、名盤多いけど、本作は不遇かも。

1. Brother, Brother
ゆったりした、しなやかなスタート。ガヤも多いんだけど、おとなしめの曲で、ほんわかしてて、演奏も多めに、癒しな心地に
2. It's Going To Take Some Time
翌年The Carpenters がカヴァーしてヒット。聴いてると、前作のヒットのプレッシャーから解放されるように、実にしっとりと歌われてるなぁと。声の重なりなど、決して売れ線じゃなく、実験的な印象


3. Sweet Seasons
唯一のシングル、POP9位を記録。ピアノの余裕のタッチ、ポップに爽やかに。演奏の自然体もすてきに届くなぁ。甘さよりも、伸びやかに、軽やかに


4. Some Kind Of Wonderful
1961年The Drifters セルフカヴァー。オールディーズ感ある歌唱・演奏も、1971年のキャロルならではの、コロンとした仕上がり
5. Surely
スロウに物悲し気に、音も声も。震わすように、切なさ、溜息、彼女ならではのスリリングさ、ポカンと穴が開くような
6. Carry Your Load
まだまだペースは同じなんだけど、覇気や叩きなんかは徐々に上昇。独特な哀愁、前作にも近いような味覚
7. Music
B面スタート、正にジャズにて音を盛り上げながら、ただアルバム全体の優しい感じは維持。中間は一切声無しにて、でも声も楽器のように融合されてて美しく


8. Song Of Long Ago
心の音を自然に下流に流すように、ほんとしなやか、無理してひねって曲が生まれた感じじゃないんだよね、どこまでも自然体
9. Brighter
比較的テンポアップ、でもインパクトなんかよりも、日常を駆け抜けていくような声と音、どこまでも波長は似てる
10. Growing Away From Me
まだまだ続くゆったりした世界観、コーラスの絶妙な吹き抜ける感じが極上。人が織り成す骨のある、それでいて生身の美しさ
11. Too Much Rain
ゆらり、ひらりと、アコースティックの流れに、雨の通いも美しく、和なテイストも混ざってるように。声よりもピアノの印象は強く
12. Back To California
ラストは、だいぶ趣向を変えてマーチというか、ご機嫌にフィナーレ。ファンクっぽさもあるし、音こそ圧はないけどエレキギターやBPMなども快調に

12曲・40分強、総じてインパクトなんかよりも、素のキャロルに戻した作品って感じかな。前作はセルフカヴァー絶大盤って感じだったけど、一人のシンガーソングライターの日常を楽しく切なく綴った作品って位置付けに思いました。ゆえに、噛み締めたいというより、自分には受け流したい感じ。心地よく聞いていける作品って感想ですかね。

<過去レビュー>
1970年 Writer
1971年 Tapestry - (Legacy Edition)
1972年 Rhymes & Reasons
1993年 Colour of Your Dreams
1998年 Anyone At All
2007年 3 Great American Voices @ Saitama Super-Arena with Mary J. Blige & Fergie
2010年 Live at the Troubadour with James Taylor
2011年 Holiday Carole

Music
Carole King
Sbme Special Mkts.
2008-03-01

Music
Carole King
Sony
1991-03-01

Music
Carole King
Mobile Fidelity
2011-11-23

キャロル・キング・ミュージック(紙ジャケット仕様)
キャロル・キング
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
2007-09-26

Carole King: Original Album Classics
Carole King
Sony Bmg Europe
2010-04-23

ミュージック
キャロル・キング
SMJ
2013-03-06

Patti Austin / On The Way To Love (2001)

51ilhTcs3DL__SL160_パティ・オースティン、1976年のデビュー以来 CTI, Qwest, GRP と18年で3レーベルを亘ってきた後は、現在までに9作連続異なるレーベルでのリリース。本作は、前作から2年振りとなるWarner Bros.からの唯一の作品で、7年振りのチャートインとなるJazz21位を記録。Paul Brown が全体プロデュースを行い、ギターPaul Jackson Jr.、ベースやドラミングなどはDavid Woods が概ね担当。大きなヒットはしてませんが、日本でも国内盤がリリースされるなど安定のクオリティ、そして原点回帰なアルバムとなっています。

1. Girlfriend
リズムの弾けがR&B直球、そしてヴォーカルの軽さ・堂々たる歌唱、クオリティの高さに驚かせられる。Roberta Flack, Natalie Cole の中間みたいな質感かな。高域まで、まだまだエモーショナルに表現してて見事
2. What Can I Say?
リズムは上がり調子のままに、滑らかなんだけど腰が据わってて、愛しさやキメの細かさが魅力。メロディの展開もだいぶ攻めてるし、それに余裕で表現力豊かに歌われて心地最高。ファルセットとの境も無いくらいに自由に泳ぎまくり
3. On The Way To Love
タイトル曲、意思を感じるし、ヴァースからサビまで、節ごとに伝えるメッセージが響く。微睡みある中、どこまでもしっとり突き通して、でも印象を残しながら


4. Love's Been Kind To Me Lately
好きな哀愁感、サビのファルセットだったり、最後の高域だったり、柔らかさが帯びてて、寄り添える味わい、最高に癒しの詰り
5. Make It Right
調子を上げて、R&Bサウンドを基軸に、難解な部分も押し通してしまう大御所ならではのパワー。ちょっとディスコも交えたり遊び有り。重ねるヴォーカルで景色がより厚めに見えてくる
6. If You Really Need Me Now
的確に上下メロディを動かす相当なテクニック、ここではセルフコーラスとの交わりが気持ちよく、どこまでも堂々と浮遊させていて頼もしく
7. Playin' Around
ディープに、でも暗くさせない手法も多く、ラップ的に歌いつつ、彼女の声にある優しさが渦めいて、程好いブレンド好感
8. Let Me Be Me
スモーキーに、そして音の薄めの中、彼女の地の声が放たれる。ファルセットのサビは印象的だし、抑揚だったり、強弱だったり、個性に延々翻弄
9. Southern Rain
ファルセットが広がり世界感はどこまでも奥行深く、感情を揺らしながら、どこまでも惹き込んでくれる。彼女の器の大きさを感じさせくれる。コーラスがLuther Vandross アーバン的で好きだなぁ
10. Tell Me Why
メランコリーに、ジャズでもあるんだけど、ヴォーカルの自由度、そしてソウルフィーリングだったり感情のコントロールが素晴らしく


11. Love's Been Kind To Me Lately (Unplugged)
ボートラというわけじゃなく、4曲目のアンプラグドヴァージョン。音は最小限にもアコースティックとまで言わず、ヒーリング風に抑えた感じで。コーラスなどと輪郭が素敵、更に丁寧に堪能できるヴォーカルの質感・繊細さがタマラン

11曲・46分程、彼女が2000年代に入ってもこんなに意欲溢れて、実力をこんなにも進行形で聴かせてくれてるとは驚きだったなぁ。ジャケからすると、なんかサラピンにもっとクールダウンしてると思ったら、表現力はまだまだ引き出し増やしてるようで、これぞ大御所の凄みというか。ジャズチャートで中ヒットながら堅調に顔を魅せたのも納得。堂々勝負しにきてるアルバム、いやー、惚れました。

<過去レビュー>
1981年 Every Home Should Have One
1988年 The Real Me
1994年 The Secret Garden

On the Way to Love
Patti Austin
Qwest / Wea
2001-07-16

エレガント・パティ
パティ・オースティン
ワーナーミュージック・ジャパン
2001-08-08

Sergio Mendes / Herb Alpert presents Sergio Mendes & Brasil '66 (1966)

51ZFS87NH5L__SL80_セルジオ・メンデス、9作目となるアルバム、Jazz2位・POP7位を記録。ここからの初カットシングルが大ヒットを記録!自分は、この手の音楽に詳しいわけじゃないけど、なんか耳残りになって早十数年。曲目さえ分かってなかったですが、実は以前働いてた会社の電話保留音がこれで、なんか懐かしく。今から50年も前のアルバムより。

1. Mas Que Nada
1stシングル、POP47位を記録。独特のサウンド、まったりして、すごくリラックスして歌う女性連、そして重ねる男性ヴォーカル。英語じゃないのも面白いんだけど、サビがはまる魔力


2. One Note Samba/Spanish Flea
メドレー形式。軽めの上品なサンバ、サルサ。薄っすらパリの匂い、勝手にクレモンティーヌ感。重なるヴォーカル美な旋律
3. The Joker
映画曲。力強く、でもサウンドの緩さ、プチダンス風に、心地よい流れ。あっという間だけど前2曲より主張
4. Going Out Of My Head
元はLittle Anthony & the Imperials、Luther Vandross なんかもカヴァーして有名。でも休日のコロンとした爽やかさ、可愛らしい感じに徹し


5. Tim Dom Dom
チンチンチン、と連発する可愛らしい曲。ドンドン、ってリリックで何とか緩和。リリックの半分がチンチンな曲
6. Day Tripper
The Beatles カヴァー、ピアノのたのしさが伝わる、セルジオ流儀。歌は英語じゃないので、なんか異国感が違和感


7. Agua De Beber (Water To Drink)
ゆったり感止まらず、もうサルサにジャズに、オリエンタルなゴハン食べながら聴きたい気分
8. Slow Hot Wind
丁寧に淡い景色が浮かぶ、でもディープなコーラス。昇天しそうな女性ヴォーカル、でも闇を持ってそう
9. O Pato (The Duck)
おどけた感じで突っ走る、程よいテンポ、なんか意気がうまく合ってて愉しさが伝う
10. Berimbau
ラストは1曲目にも近い全体で盛り立てる感じの曲、サルサダンスが頭に想起、気持ちよさそう

10曲・26分弱、1曲目まんまの流れで聴けたジャズ、サルサ。こういったアルバムは、夏、たまーに聴くと和みます。あっという間の作品なんで、アーティスト、コンセプトを知るにはちょうどよかった。似たり寄ったり、多すぎると変えちゃうかもしれなかったので、これくらいが良い。アルバム単位で聴きたい作品と思います。

マシュ・ケ・ナーダ
セルジオ・メンデス&ブラジル’66
ユニバーサル ミュージック クラシック
2008-02-27

Sergio Mendes & BRASIL'66
セルジオ・メンデス&ブラジル’66
ユニバーサル インターナショナル
2002-08-21

マシュ・ケ・ナーダ
セルジオ・メンデス&ブラジル’66
ユニバーサル ミュージック
2014-06-11

マシュ・ケ・ナーダ
セルジオ・メンデス&ブラジル’66
ユニバーサル ミュージック クラシック
2010-05-12

Quincy Jones / Body Heat (1974)

113A6REYZYL__SL160_クインシー・ジョーンズ、彼にとってブレイク作となった21枚目の作品(サントラ含めると40作以上)で初のPOP10入り(及びTOP40入り)・初のR&Bチャート制覇・Jazz制覇3作連続(R&B1位POP6位・Jazz1位)。1969年にPOPチャートに登場するまでは10数年もの間、地道な活動をしていたかのように見える彼ですが、1970年代に大きく才能は開花。プロデューサーとしても活躍を辿ることとなる重要なディケード。�牋Δ離灰蝓璽澄苗�のメジャー路線に行く前の上質ジャズ・ファンクを楽しめると思います。

1. Body Heat
Bruce Fisher, Leon Ware ヴォーカル参加、タイトル曲。涼しげに、シンセも取り入れながら、体の熱というよりも、内から出る感情なんかを表しているようで絶妙


2. Soul Saga (Song Of The Buffalo Soldier)
ソウル・サガ、ハーモニカだったり、当時のニューソウルのちょっと粗ぶった感じを入れてみたり、Al Jarreau のエフェクト、Jim Gilstrap のヴォーカルそれぞれに味が詰り。全体で声を重ねたり、どっしり重量感も感じたり
3. Everything Must Change
Benard Ighner のヴォーカルを主体に、切なすぎる白人歌謡バラードという感じかな。アドリブ進行くらいに繊細で、凍てついた世界を癒すように


4. Boogie Joe The Grinder
曲調変わって、プチファンキーに。ヴォーカルは音に歪んでるような感じだけど、雰囲気・グルーヴで楽しませてくれる変化球
5. Everything Must Change (Reprise)
これは、何の施策だろう。3曲目の一部をあらためて1分追加。B面との対比?凄く意味深な流れが生まれるんだよね…
6. One Track Mind
洗練したサウンド、的確に攻める感じで、でもまったり感もあって、コーラスも本当程よく入って、人種関係なしに楽しめそうなバランス感
7. Just A Man
アレサ Hey Now Hey pro. 時みたいな音、しっぽり優しく、映画音楽のように。Quincy Jones 自身がゆるーり歌っているのも大ポイント
8. Along Came Betty
フュージョン、ホーンの不安定さあれ、夢世界のように転がるシンセ、なんか不思議と元気になれるような優しさ、エナジー
9. If I Ever Lose This Heaven
b>Al Jarreau のエフェクト、Leon Ware, Minnie Riperton のヴォーカル、サルサ的に揺らめき、客演は抑え目だけど全体で平和の音が放出されているようで、たまらんグルーヴ、緩いのに熱くなれる!

9曲・38分半、当時のクインシーのセンスがソウル寄りに傾いてるなぁというのも感じる作品。ファンク、ソウル、ポップスタンダード、バラード、ジャズと、結構多種に楽しめるのにアルバムに統一して、程よい熱量も充満。客演も見事クインシー手腕。地味目にも何度聴いても発見があるような作品、さすがっす。

Body Heat
Quincy Jones
A&M
1990-10-25

ボディ・ヒート
クインシー・ジョーンズ
ユニバーサル ミュージック クラシック
2009-02-13

ボディ・ヒート
クインシー・ジョーンズ
ユニバーサル ミュージック クラシック
2011-04-27

ボディ・ヒート
クインシー・ジョーンズ
ユニバーサル ミュージック クラシック
2012-01-18

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